80年代、汐留でも実現しなかった
マシーンサーカスとは?
→「なおこの公演は大音量や低周波音、強い光の点滅などを伴います。万が一、御気分が悪くなられた方がございましたら、お近くの係員まで御申し出下さい」
会場内のアナウンスが響き、フェンスの外に、配備された消防車の点滅が目につき始めた頃、けたたましいエンジン音が、石油臭い「ロボット」から鳴り響き始めた。ショーのために、マシーンにテンポラリーな生命が吹き込まれたのだ。
時計は、開演予定の夕方6時半をまわり、7時を指し始めていた…
ゆっくりとマシーンは動き始めた。ロボットたちの解放区が始まったのだ。
まるで龍のように頭をもたげるロボットが火を吹き、巨大ヌンチャクを充填したものがヘリコプターの羽の様にぶん回す。
せり出てきた岩と草が植わっている島状の巨大ハリボテが炎上し、破壊されてゆく…
隣のテレビクルーの白人レポーターが絶叫する。
「生きてて良かったこの瞬間!」
巨大大砲が狙い撃ちをし、バッティングマシーンがレーザー照準によって、超高速で角材を打ち込む…
戦争というよりいじめである…
無抵抗の「島」が崩れてゆく…
ロボットたちは容赦なく破壊を尽くす…
「島」は無言で、前進を続ける。
次の標的は犬というか猫というかメタリックな動物型ロボットだ。
静かに前進する動物型ロボットをマシーンが付け狙う…
角材で打ち抜かれ、ヌンチャクにえぐられ、火炎放射で燃され、大砲で吹き飛ばされて行く…
目を転じると、巨大な看板
"Pig Licker" がぱくぱくと面をくねらしながら、そして、コラージュで塗り固められた巨大な車輪 "Woody Copter"
がのたうちまわる。
これら戦闘能力の無い、ユーモラスなロボットたちは、ばきばきと凶暴なロボットたちに破壊されてゆくのであった。
全てが壊された後、巨大なフィールドの後ろに控えていた巨大なトランプを立てて組み建てられていたタワーが音も立てず、ゆっくりと動き出し始めた。
これもただ、がさっと倒されるのみであった。
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