October 28, 2003

ビルで斬れ  POPカルチャーを政策化するというMLの Kill Bill の話題でキレる

やはり、ここで KillBillの話題となりましたが、コンテンツビジネスと文化の関係で、語る上で業が深い問題です。

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1:まず、私の最初の大学院NYUでの教育での場を思い出しました

米3大ネットワークの貢献者の名を冠したコンテンツ・スクールとでもいうべき、
NYUティッシュ・スクールのフラッグシップをなすシネマスタディー、すなわち映画評論家とプロデューサーを育成する部門で、シャワーのように見せられたのは中国映画であり日本映画でありフランス映画でした。

それは何を意味しているのか

いいものを見ろ
いいものを肴に語れ考え評論しろ

ということです

秋学期、クリスマスイブの休暇の直前という講座クライマックスの夜、リンカーンセンターのキュレーターが見せたものは
「覇王別姫」休暇前の最後の授業とばかりにみんなで骨抜きにしたのが記憶に残っております。

かのように、世界中のコンテンツのネタを
分析し咀嚼すのが、米国のTVビジネスであり
映画ビジネスだと思います
すなわち、貪欲に吸収し、それ以上のものと
インプレッションさせる
「基礎技術を米国からパクって、よりよいものに
する猿」という日本への言いがかりと同じことを
米国の巨大コンテンツインダストリーは
グローバル化の中でやり遂げていることは
みなさまの前で言うまでないことではないのですが
システムとして成り立たしているのです

2:そして、昨年、ユタ州のサンダンス村へある用事で
ワークショップを見て来ました

タランティーノが飛躍的に育ったその現場では
映画作りのハリウッド的な常識が選ばれた監督と
脚本家予備軍に、先に成功した脚本家と監督
俳優に毎晩叩き込まれたのにはやられました

夜は予備軍が作ったデイリーの上映の後に
これから公開の演出で評価を受けた作品のスクリーニングと
監督とのQ&Aの数々
そこには3大ネットワークの人気ドラマ(Friendとか)
(すなわちNHK深夜のアイドル)の女優たちの顔も
すなわち、TVからハリウッドに出るために
(TVでうけたから映画:まるっとお見通し:ということは
あまり無いので、確かに:まるっとお見通し:的な
タイアップものは一部あるが、タイアップ以外には
出ることは難しいですよね)若い連中に協力しているのです

コンテンツ大学院だとここで言っているうちに
ここまでコンテンツを解析し、その上で人材を送り出し続けるために
協力し合う、NYからハリウッドまでのショービスの厚さを
見せられると、参りました!としか言いようがありません

いつも日本から、その次の大学院の先生が巻き込まれたように
何10億円貢がされて、結果、興行はこけされられて
ノウハウは私たちには残らないことは幾つもありますが

3:いくらタラさんが、深作監督に捧げるといわれても
さっきの「覇王別姫」の話じゃないけど
いい映画をつくろうという専門家に消費されるのが
日本コンテンツの今はオチなのです
まるで私たちがオモロイ映画といっているのものは
映画秘宝なおたくで終わってしまうように

いくらいい映画を日本が作ってもまるで
「バカの壁」と同じように
米国でアート映画の壁を
越えられないように

「ビルを殺れ」は、その咀嚼の最たる「映画秘宝」で
あるのに、ハリウッドを席巻し、なぜ、タラさんが愛する
「バトルロワイヤル」が、欧米では「映画秘宝」であるのか?

輸出を考えるなら、その現実を考えるべきでは
無いのだろうか?

ハリウッドの一部の人に受けても
米国人に受けているということでも
理解されているというべきでもないのである

エミネムは日本人をも韓国人をも
濡らす力があるのに
ジブラには、今のところ金輪際無いことを