下請け国家の労働者の賃金が
販売価格の1%しか含まれていないのが即GETの正体なのを知ってますか
クリーン・クロース・キャンペーン
→暗転、ハイテンポのテクノミュージックが鳴り響き、舞台の一点にライトが照らされる。
そこには何人ものマッチョガイズが上半身裸でジーンズのいでたちで整然と並んでいた。
It's
show time!
ガイズが踊る中、ひとりのクールガイがはさみでシーンズを剥ぎ始める。
スクリーンにはシーンズをモチーフにしたブランドもののジーンズの生産コスト表が照らされる。
製造原価は極めて少ない、その少なさと同じ分だけ、 スクラップショーは激しくなる。 最後にはまたの部分を隠すだけしか残らないマッチョ
ガイズのジーンズ。会場はもちろんクールなストリップの パフォーマンスに大受けである。
→剥がされたマッチョガイズが陽気に舞台を離れる、壇上には香港から来た活動家がふたり。
「アジア・東欧でグローバル企業が行っている搾取を無くせ!」と高らかに宣言する。香港を舞台にアジア各地で展開する
最底辺の労働者への搾取を警告するNPO、 亜洲専訊資料研究中心 Asia Monitor Respurce Center http://hk.super.net/~amrc
からの2人である。
大きなぬいぐるみを抱えて、デモンストレーションが始まる。梁寶霖は広東なまりの英語で素朴に切々と話し始めた・・・
「このぬいぐるみ、かわいいよね。(会場笑い)
アムスの街角で買った中国製なのだけど、 買った値段のうち、工賃っていくらか分かる? 1%しか無いのだよ・・・ それも事故だらけで
娘さんと変わらない女工さんが死んだり、 大怪我したりしているんだ・・・ かわいいよね、 このぬいぐるみ・・・ 娘さんに買ってあげたり
するんだよね・・・ でも、そういうかわいいおもちゃを ただ同然の工賃で命がけの犠牲のもとで作られて いるのを知ってほしいんだ・・・」
会場はしずまにかえり、梁を一点に話を聞き始めた。
「こんなの人間の使い捨てだよ。
そこで、アジアで起きてるこの理不尽を無くしたくて 活動を開始したのさ」
WEBページで活動内容を紹介、次にビデオでデモンストレーションの模様を見せる。
アジア各地の大都市で展開したデモ活動、特に異様であったのは本部がある香港での 出来事であった。 広東省での劣悪な下請け労働を訴えるデモ隊。
そこには香港警察が対峙、デモの解散を迫っていた。 そこで壇上からこう語る。 「僕たちはこんなひどいことを無くそうという素朴な気持ちで始めてきた。それがこの時、自由な活動を
求める政治的運動の側面を嫌が上でも 持ってしまったのだよ・・・ ひどいことに。 ただ、僕たちは素朴に願っていただけなのに・・・」
心が動かされるキャンペーンである。話術もさることながら、メディアの特性を活かした活用の仕方、表現の仕方まで、うまさこのうえないのだ、本当にメッセージが伝わる。
デモンストレーションの後、メディアキャンペーンの 手法について実際論として語り始めた。
現在の運動は、世に問題を喚起する部分で
効果をあげていると提示。効果をあげるために、 「自分たちが用いることが出来るメディアを 古いメディアであれ新しいメディアであれ出来る限り用いている」と語り、それだけでなく、
「個々の内容やクオリティー、そして展開方法にも 最大限の注意を払っている」と言うのであった。その発言の通り、一見、素朴な運動でありながら、
圧倒的に訴求力を持ち、また、反面洗練された キャンペーン技術を磨き続ける、アジアからの新しいスターの登場に会場は大きな拍手をもって
応えたのであった。
→その後、マッチョガイズのパフォーマンスを
キャンペーンとして仕組んだ、 クリーン・クロース・キャンペーン The Clean Clothes Campaign より、イネケ・ゼルデンルストが登壇。
提携関係を結ぶ、香港での運動と異なる 洗練を楽しむキャンペーンの現場を紹介し始めた。 クリーン・クロース・キャンペーンはヨーロッパ10ヶ国にネットワークを持ち、ゼルデンルストはアムステルダムベースのアクティビスト。
視覚化すること、ストーリー化することが問題を強く訴求するのに効果的だと語る。企業イメージを直接ヒットするキャンペーンを
デザインすることは、訴えかけたい層である問題の品物やブランドを購入するコアとなる人々に対して関心をひきつけるだけでなく、強く問題を喚起すると
いうことで効果的であると考え、実践ケースを紹介するのであった。
東南アジアを中心に劣悪な労働環境で製造に従事させている、イメージ重視型スポーツ用品企業である、
NIKEに対してということで次から次へと、 キャンペーンの模様とデザインを指し示す。
街角でNIKEの靴を履いている若者にレッドカードを
与えるデモンストレーション
NIKEのアイコンである「スウォシュ」をデザインしなおす
コンテスト:
血のしたたるナイフのようなスウォシュ
?なスウォシュ・・・
もちろんナイキだけを狙い撃ちしているわけで無く、
NIKE自身が構築した企業イメージと実際の乖離が とても高いということでナイキをプライマリーに置いていると語り、この様な問題傾向が他の幾つかのスポーツ用品
企業にも散見されるので同じようなキャンペーンを 行っていると語る。 (バックに映されているのは:無垢なラテン系の少女に 縄をつけてふんぞり返る小太りで半ズボンのサッカー小僧を
イメージでいかにもNIKE的に作ってあるポスター)
かっこいいコーポレートコミュニケーションで自身を粉飾するなら、こっちもかっこよく汚してメッキを剥がす、その方が、人々にも強く訴えかけるし、
賛意を示してもらいやすいからね・・・ とゼルデンルストは続けるのだった。
コミュニケーションにはコミュニケーションで指し示すは、
JUST STOP IT.
(JUST DO IT キャンペーンを逆手にとってもの) で固めるデザインワーク集・・・
ベネトン広告かな・・・と見ると、 札束を口にほうばるエグゼクティブおやじの姿・・・
最後にゼルデンルストはインターネット上での
フューチャープランを示して締めた。 WEBサイトによるキャンペーンコンテンツの 充実の部分だけでなく、 世界250以上のクリーン・クロース・キャンペーンと
関係している活動グループをつなぐ地道な情報交換と連絡、共同作業のためのプラットホームとしての機能を整備して行きたいと・・・
クリーン・クロース・キャンペーン
http://www.cleanclothes.org
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